昨年12月中旬頃、豊橋技術科学大学 ロボコン同好会「とよはし☆ロボコンズ」は、NHK学生ロボコン2024のエントリーをNHK 学生ロボコン事務局に提出しました。
我々ロボコン同好会は、3年連続学生ロボコン優勝、そしてその先のABUロボコン2連覇を目標に、ロボット製作を行っていきます!
さて、この記事では、本年の学生ロボコン / ABUロボコンの概要についてお伝えしていきます。
なお、この記事ではわかりやすく一般の方にルールを伝える目的で書かれているため、実際とサイズや色が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今年の競技ルール
学生ロボコンのルールは、ABUロボコンのルールに従って作成されており、例年、ABU開催ホスト国のゆかりのあるものがモチーフにされています。
今年のABUロボコンのホスト国は……
ベトナムです!!!
ベトナムといえば、お米が有名ですよね。ベトナムとお米は、何千年もの昔から、ベトナム人の生活に深い関りを持っており、ベトナム人にとって、単なる主食ではなく、文化的・精神的生活美を表すものとなったそうです。
そして、ベトナムの高地地域に住む人々の伝統的な農業方法が、段々畑として知られる棚田です!↓↓
この棚田が、近年の観光の目玉となり、国内外からたくさんの観光客が訪れられ、今や、ベトナムの伝統と美と誇りを体現したものとして知られるようになったようです。👀
今回の競技テーマ・ルールは、この棚田がモチーフにされています。
競技テーマは、「The significance of efficient cultivation to bring a warm and prosperous life for everyone」、日本語で言うと、「すべての人に豊かな暮らしをもたらす、効率的な栽培の意義」です。なんだか難しそうなタイトルです…🧐
今年は、2台のロボットを駆使して、播種・収穫・輸送を模した競技を行います。
苗を回収し、プランティングゾーンと呼ばれる場所に苗を植え、次に籾(ボール)を収穫し、倉庫に籾を輸送します。🤖
植えた数、収穫した数などで得点を競い合います。なお今大会も特定の条件を達成するとVゴール(Mua-Vang ムアバン)となり、達成時点で勝利となります。
ロボット
今年のルールでは、2台のロボットを使用します。
各ロボット、バッテリー、コントローラー、ケーブル、および操縦器を含む総重量は 1台当たり25kg以下にする必要があります。
ロボットのサイズはそれぞれ以下の寸法に収めなければなりません。
①試合開始時…700mm (高さ)×700mm (幅)×700mm (奥行き)
②試合全体を通して(最大寸法)… 900mm (高さ) × 900mm (幅) ×900mm (奥行き)
R1(ロボット1)
R1はエリア1、エリア2のみ移動でき、エリア3への侵入は禁止されています。
またR1は手動ロボット、自動ロボットのどちらでも大丈夫です。
R2(ロボット2)
R2は全エリアへの侵入が可能です。
またR2のみは自動ロボットでなければなりません。
フィールド
今年のフィールドは主に3つのエリアで分かれており、段差や侵入不可といった箇所もあります。
ロボットはエリア1のスタートゾーンからスタートし、各エリアで特定の動作をしてもらいます。またロボット1はエリア1、2のみ侵入可能となっております。
エリア1にはスタートゾーン、苗、プランティングゾーンがあります。
植えた苗は得点以外にもエリア2からエリア3へ籾を運搬するための条件としても重要です。
エリア2にはリトライゾーン、ハーヴェスティングゾーン、ウォーターゾーンがあります。
籾(ボール)の搬送には複数の条件があり、今回のルールのなかなか難しいポイントです。
ウォーターゾーンは上空からでなら侵入可能であり、ここを近道で通るか通らないかも実は重要かも…🧐
エリア3にはストレージゾーン、イエローゾーン、サイロゾーンがあります。
サイロ(倉庫)に籾を入れていくことで得点となります(※空籾は得点にならない)。
Vゴール(Mua-Vang ムアバン)するにはサイロが関わっておりますので、いち早くエリア3で搬送していくことも重要になりそうです。
得点・Vゴール(Mua-Vang ムアバン)
今回のルールでは得点の配分は以下のようになっています。
また今回のルールではVゴールが用意されており以下の条件を達成するとMua-Vang ムアバンとなります。Mua-Vang ムアバンを達成した瞬間得点や試合時間関係なく勝利となります!。
勝敗の決め方
以下の順番で決定します。
- 「ムアバン」を達成したチーム
- 合計得点が高いチーム
- 得点が同じ場合は以下の順番に決定
- サイロの中へ運搬した合計得点が高いチーム
- エリア3へ運搬した合計得点が高いチーム
- 苗植えの合計得点が高いチーム
- 先に苗を植えて得点を獲得したチーム
- 審査員による決定
試合進行
試合進行は、セッティングタイム、試合の順番に行われます。
セッティング
1分間の間で各チームのロボットや各ゾーンの籾の設置を行います。セッティングに参加できるのは、チームメンバー 3 人とピットクルー3 人までです。
選手たちは、相手チームのハーベストゾーン、ストレージゾーンに籾、空籾を配置します(ストレージゾーンではフレームを使って配置する)。
また試合開始時にロボットは、その上空を含め、スタートゾーン内に収める必要があります。
試合
試合時間は3分で、3人のチームメンバーが参加できます。
試合は以下の場合でのみ終了します。
- 「ムアバン」でチームが勝利
- 3 分間の試合時間が経過したとき
- いずれかのチームが失格となったとき
おわりに
いかがでしたでしょうか?。今回のルールは非常に複雑で、ロボットの製作、戦略を立てるのに少し難航しそうな競技です。最後に本記事の内容は、学生ロボコン、ABUロボコンのホームページに掲載されたルールブックなどを参考に書いています。詳しいルールの内容は、学生ロボコンのホームページをご覧ください。
今後の大会までのスケジュールについても以下のようになっております。
- 書類確認(2023年12月15日までにエントリー承認通知)← エントリー完了
ロボットの開発体制、スケジュールが計画的であるかを確認します。
実現可能な計画であるか判断されます。 - 第1次審査ビデオ審査 2023年2月下旬
- 第2次審査ビデオ審査 2023年4月下旬
ロボットをNHK学生ロボコン事務局に対して提出し、日本代表チームとして「ABUロボコン」で活躍できるロボットであるかということを主眼においてロボットの完成度が審査され、第2次ビデオ審査終了時までに大会出場チームを18〜22チーム程度まで絞り込まれます。 - 出場チーム決定 2023年5月初旬
- NHK学生ロボコン2023 6月8日、9日